この作品は、エストニアの芸術社会実践センター「MoKS」にて、2006年の7月から8月にかけて制作され、同年8月に同センターで行われたアートシンポジウム「PostsovkhoZ6」の期間中に発表されました。
元になった音源は、同センターに隣接した倉庫で見つけた、おそらくタービンのカバーとして使われていたであろう、大きな円柱形の鉄のオブジェのみです。
多数のスピーカーシステムのために作られたコンポジションは、同センター近くの、アンドレイ・タルコスキーの映画のワンシーンに使われそうな静謐な湖から影響を受けて作られました。
現場での感覚に忠実に作ったコンポジションですが、湖面に映る森の影が、その潜在的なスコアーになったのかもしれません。
そのコンポジションは、夜、数時間に渡り、その湖畔にて4つのポータブルステレオスピーカーで再生されました。
それぞれのステレオトラックは、15分から30分までの違った長さにアレンジされていたため、音の位相が展示時間中常に変化し、始まりも終わりも無いような音の空間を作り上げました。
オーディエンスはそれぞれ、湖畔の砂浜に横たわったり、湖で泳ぎながらその空間を体験していました。
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